設立の経緯

「ならのは」の出発点と今後のこと

*「当事者の苦しみの理解と、その緩和を目指したケアーの提供」
*「障害を持つ人が幸せを感じられる環境の提供」
 設立者が、大組織の企業内での利益優先の福祉事業業務の経験、そして当初の設立予定地での、高齢障害を含む障害者全般に対する差別意識をベースとした、予想外の反対運動を受けた経験の結果たどり着いた確固とした目標です。
 今にして思えば、反対された地域の方々も、計画に多大に関わっていただいた京都大学院の教授であられた外山義先生も、そして北欧での学習の旅で出会った異国の方々を含む全ての人たちのメッセージをエールと置き換えることが出来た事で「ならのは」の設立が実現したように思います。この経験が有ったればこそ、一高齢者福祉法人としての「ならのは」を目指すのではなく、地域を中心とした 不特定多数の方々へのお役立ちをとの思いを込めた法人として設立する事が出来たと思っています。すべてが有り難い事だったと思っています。
 このような経緯を経て、平成11年7月の認可を受け翌12年4月に奈良市最北部(平城ニュータウンの神功)に呱々の声を上げました。高齢者グループホーム、高齢者デイサービス、障害者自立支援事業の3つを柱とする社会福祉法人として。
 運営の基本の理念を「人と自然の共生」に置いています。 「人」の共生については、高齢者の方々、地域の方々、知的・精神の障害者の方々が共に集い、歌ったり、笑ったり出来る場としてスタートしました。 職員の一人一人が「慎ましく人を支援する心、差別をしない心」を確認しながら、日々の業務に励んでいます。さらにかたよらない世代とも共生を考えて隣にある保育園、幼稚園、小学校の子供たちと日々の自然な交流を通じ職員も地域と結び合うことを大切にして過ごしてきました。また平成18年5月には開業来の悲願でもありました“地域で暮らす大人や子供たちお互いをお地蔵さまの縁で結べたら少しでも暮らしやすい街になるだろう”という思いで「お地蔵さま」を東大寺さんのお世話や地域の人々のご寄付で立てることができました。場所は敷地の一部をご提供いたしました。「自然」との共生については未来を託す若い人たちや子供たちに余計な負担を残すまい、地球の負荷を増やすまい、ということにこころを配り、夏の散水には溜めた雨水を使い、暑いときはすだれと打ち水などで涼をよびながら化石燃料の使用量を減らそうと小さな努力を重ねてきました。そんな折、奈良に市民共同太陽光発電所を作る会として活動している「サークルおてんとさん」との出会いがありまして願ってもない「第2号機市民共同発電所」の設置にお誘いいただきました。ここ「ならのは」の屋根がお役にたつということで「クリーンエネルギー活動」に参加貢献できることは私たちにとりまして望外の喜びでありました。これからも公益法人である「ならのは」の職員全員は二酸化炭素を出さないように工夫して、更に削減できるように木を植える活動にも積極的な支援を展開していきたいと考えております。
 また厚生労働省の管掌する組織が、全国で医療福祉の最先端をいく団体に贈る賞がありまして、私どもの「人と自然の共生、地域と一緒に」という開かれた運営姿勢を高くご評価していただけた結果、この「日本医療福祉建築賞2002」を受賞しております。
 お陰さまで設立から7年を無事迎えさせて頂きました。これからも、全ての皆様のご支援とご鞭撻を励みに、ご利用者様に喜ばれ、地域の皆様に可愛がられる「ならのは」を目指して参りたいと思っています。
 大きくなくても、目立たなくても、お金が残らなくても、世界にたった一つのキラッと輝く「ならのは」を目指して参りたいと思っています。